「遺品整理の一般的なタイミングは?」
「誰が遺品整理をするの?」
ご親族が亡くなり、このように思う方も多いでしょう。
本記事では、遺品整理の一般的なタイミングやおすすめの専門業者3社を紹介します。
遺品を整理する際に押さえるべきポイントについても解説します。
遺品整理にお困りの方は、後悔をしないように参考にしてみてください。
<この記事で分かること>
- 遺品整理を始めるタイミング
- 遺品整理の方法
- おすすめの専門業者3選
- 遺品整理のポイント
遺品整理を始めるタイミング
ご親族を亡くした際に故人の生活用品や車、家具、家電などの家財を整理する【遺品整理】が必要となります。
しかし、大切な人を失った直後では遺品整理に手がつかない方も多いでしょう。
遺品整理を始めるタイミングには法律上の期限はなく、相続人の任意となっています。特に故人が賃貸物件に住んでいて住居の明け渡しが必要な場合は、できる限り早く取り組むほうが良いでしょう。
また、その他のケースでも、区切りの良いタイミングで遺品整理を始めることをおすすめします。
ここでは一般的なタイミングについてご紹介します。
- 葬儀直後|1週間以内
- 社会保険・役所関連の諸手続き後|1週間~1か月
- 四十九日法要後|1か月~2か月
- 相続放棄の期限まで|3か月以内
- 相続税の申告期限まで|10か月以内
- 心の整理ができてから|相続税の申告期限から5年以内
葬儀直後|1週間以内
遺品整理を始める最も早いタイミングとしては、葬儀後すぐの時期が挙げられます。
一般的に葬儀は亡くなった翌日に通夜、翌々日に葬儀・告別式が行われます。また、死亡届は亡くなってから7日以内に提出する必要があるため、この手続きが終わった段階で遺品整理を始めることが考えられます。
【ケース別の対処】
- 故人が賃貸物件に住んでいた場合
死亡後も賃貸契約が続いており、毎月の家賃が発生するため、契約状況を確認して早めに退去の準備を進めることが重要です。
- 故人が施設に入所していた場合
施設によっては「1週間以内に退所」などの期限が設けられていることがあるため、事前に施設のルールを確認しておきましょう。
- 親族が海外に住んでいる場合
葬儀は故人の親族が集まりやすい時期でもあります。すぐに集まれない場合は、葬儀後に遺品整理を始めると良いでしょう。
社会保険・役所関連の諸手続き後|1週間~1か月
身内が亡くなった直後には、社会保険や年金に関連する手続きが必要です。
下記の手続きは、亡くなってから14日以内(厚生年金は10日以内)に完了する必要があります。
【必要な手続き】
- 故人の健康保険証を返却
住所地の役所で資格喪失届を提出する必要があります。
- 年金の受給停止
老齢基礎年金や老齢厚生年金を受給していた場合、最寄りの年金事務所や年金相談センターで受給停止の手続きを行わなければなりません。
これらの手続きが一段落して落ち着いたタイミングで、遺品整理を始めるケースは多くあります。時間的にも余裕が出てくるタイミングのため自分たちのペースでゆっくりと遺品整理に取り組めるでしょう。
四十九日法要後|1か月~2か月
多くの親族が集まり、故人が亡くなった日から49日目に行われる「四十九日法要」
親族などが多く集まり、様々な手続きが完了し、一段落していることから、一般的に遺品整理は四十九日法要後に開始することがおすすめされています。
【POINT】
- 親族が形見分けなどをするのに絶好の機会
- 親族が話し合い納得したうえで遺品整理を行えるため、後々のトラブルを防げる
- 四十九日法要以外の法要などでも遺品整理の話し合いが可能
相続放棄の期限まで|3か月以内
遺産相続には以下のように3つの方法があります。
- 単純承認:すべて相続する
- 相続放棄:すべて相続しない
- 限定承認:一部を相続する
何も申立てをしなかった場合、自動的に単純相続となります。
相続放棄や限定承認を選択したい場合には「被相続人が亡くなってから3か月以内」と定められているため、期限内に相続の方法を選択しましょう。
【注意点】
- 亡くなった方に借金があった場合
相続財産が借金ばかりであったとしても、単純承認を選択した場合、すべて相続することになってしまいます。
遺品整理において、相続方法の選択は非常に重要です。遺産相続の機会を1つの目安とすると良いでしょう。
相続税の申告期限まで|10か月以内
故人の遺産が相続税の非課税額を超えている場合、「被相続人が死亡したことを知った翌日から10ヵ月以内」に相続税の申告手続きをする必要があります。
申告が遅れると加算税や延滞税などのペナルティが課される可能性があります。
相続財産を特定するためにも故人が亡くなってから7〜8ヵ月以内には遺品整理をおこないましょう。
【重要遺品】
- 銀行通帳
- 保険
- 不動産関係(土地・建物)
- 貴金属類
- 骨董品
心の整理ができてから|相続税の申告期限から5年以内
故人が予期せぬ形で亡くなられた場合、ショックから心の整理がつかず、遺品整理を進めることが難しいことがあります。このような場合、急ぎが必要でない限り、心の整理がついてから遺品整理に取り組むことをおすすめします。感情に左右されて作業が進まないことや、故人との思い出がよみがえり処分に迷うことが少なくありません。
【POINT】
- 遺品整理を先延ばしにしない
あまりに先延ばしをし過ぎると何が重要で何が不要か判断が難しくなる
- 目安の期限を設定すると良い
すぐに整理する気持ちになれない場合でも、「半年以内」などと期限を決める
- 10か月以内に概算で申告・納税を行う
相続税の申告期限が心配な場合でも、「更正の請求」で正確な金額を確定すれば、納めすぎた分を後々、還付して もらうことが可能です。請求の期限は申告期限から5年以内ですので、心の整理ができてから遺品整理を行いましょう。
遺品整理の方法
遺品整理をするタイミングがわかったところで、「では、遺品整理は誰がするの?」という疑問を持たれる方が多いと思います。
遺品整理には「個人」と「専門業者」の2つの方法があります。
以下でそれぞれのメリット、デメリットを詳しく見ていきましょう。
メリット | デメリット | |
個人 | ・費用を抑えやすい ・自分のペースで遺品整理ができる | ・時間と手間がかかる ・親族内に協力がない場合、精神的に負担となる |
専門業者 | ・短時間で一気に整理ができる ・時間と手間が全くかからない | ・費用が掛かる |
遺品整理を個人で行うか、専門業者に依頼するかでそれぞれ利点と欠点があります。
自分で整理をすることで費用を抑えつつ、自分のペースで遺品整理を進められます。
大切なものを誤って処分する心配も少ないですが、遺品整理には多大な時間と労力が必要となり、特に心の整理がついていない場合は精神的な負担も大きくなります。
一方、プロの業者に依頼すると、不要なものを一括で処分ができ、特に重いものや大量のものを扱う際の負担が軽減されます。しかし、その分費用がかかり、特に大量のものを処分する場合は高額になることが予想されます。
複数の業者に見積もりを依頼し、料金やサービス内容を比較することが重要です。また、業者が大切なものを誤って処分しないよう、処分するものと保管するものを明確に区別する必要があります。
おすすめの遺品整理専門業者3選
本章では、遺品整理の専門業者3社のおすすめ度やサービスの特徴などを紹介していきます。
各業者の特徴を押さえつつ、適正価格で条件の良い業者を見つけてみましょう。
- ライフリセット|年間実績3,000件
- みんなの遺品整理|利用者満足度98,1%
- 遺品の整理屋さん|累計遺品整理実績10,000件以上
遺品整理をする際のポイント
遺品整理をするうえで、やみくもに行っていてはうまくいかない場合があります。
スムーズに遺品整理ができるように押さえるべきポイントを5つご紹介します。
必要な手続きを把握する
遺品整理を始めるタイミングは、それぞれの家庭で異なりますが、すぐに申請しなければならない書類などは後回しにせず対応しましょう。
主な公的手続きは以下の通りです。
公的手続き | 手続き先 | 提出期限 |
年金受給停止 | ・年金事務所 ・年金相談センター | ・国民年金:死亡後14日以内 ・厚生年金:死亡後10日以内 |
健康保険の資格喪失届 | 国民健康保険、後期高齢者医療制度:市区町村役場 | 死亡後14日以内 |
健康保険:年金事務所 ※会社が退職手続きと一緒に行ってくれることが多い | 死亡後14日以内 | |
介護保険資格喪失届 | 市区町村役場 | 死亡後14日以内 |
住民票の世帯主変更届 | 市区町村役場 | 死亡後14日以内 |
雇用保険受給資格者証の返還 | 雇用保険を受給していたハローワーク | 死亡後1か月以内 |
国民年金の死亡一時金請求 | ・市区町村役場 ・年金事務所 ・年金センター | 死亡日の翌日から2年以内 |
非常に多くの手続きがあるため期限を把握し、期限内に手続きを終えましょう。
※ガスや水道などの公共料金は解約してしまうと、その後、遺品整理で実家を訪れる際などにも使えなくなってしまいますので、解約日は遺品整理のスケジュールに合わせて決めるようにしましょう。
スケジュールを作成する
日程を決めずに遺品整理を始めようとすると、想定以上に時間がかかってしまいます。
効率よく作業を進めていくには計画を立てることが重要です。
- 遺品整理の終了予定日を決める
- 遺言書やエンディングノートを確認する
- 親族全員と話し合い同意を取る
- 必要品と不用品の分別を行う
- 専門業者に見積もりを出してもらう
遺品を分類する
前記で必要品と不用品の分別と記述しましたが、重要なものを誤って処分しないように、目印をつけたり、別の場所に保管するなどの工夫が必要です。
主な遺品は以下の通りです。
- 貴重品(相続関連の書類、現金や銀行通帳、印鑑、貴金属類など)
- 故人との思い出の品
- 自分では判断がつかないもの(親族にとって重要なもの)
- 買取に出すもの
- 廃棄すべきもの(ごみなど)
迷うものは保留にする
遺品整理をしていると必ず扱いに困る遺品が出てきます。
時間をかけすぎると作業が止まってしまうため、無理に分類しようとせずに保留にしましょう。
保留にした遺品の中には気持ちの整理がつくことで処分できるものと後に必要になるものがあります。
【POINT】
故人の手紙関係は、後から連絡を取る可能性があるため、保管しておくことをおすすめします。
トラブルに注意する
遺品整理において親族内でトラブルが起こる可能性は少なくありません。
自分以外にも相続人がいる場合には、必ず親族の了承を得てから遺品整理をすることをおすすめします。
さらに親族だけでなく、専門業者とのトラブルに注意が必要です。
人の弱みに付け込んだ悪徳業者に依頼しないように今回紹介している専門業者を利用しましょう。
【Q&A】遺品整理をする際によくある質問
遺品整理に関する知識が身に付き、依頼までの流れがわかったところで実際に専門業者に届いた質問を2つ紹介します。
疑問が解決するように参考にしてみましょう。
Q:作業当日に確認しながら不要な遺品を処分していただくことはできますか?
Q:孤独死の現場で腐敗臭がひどい場合でも遺品整理作業は可能ですか?
Q:作業当日に遺品を確認しながら作業をしていただくことはできますか?
A:今回紹介している3社は、大切な遺品を誤って処分してしまうことのないよう、事前の調査資料を確認しながら慎重に作業を進めます。作業当日は立会人さまに遺品の確認を随時行わせていただき、安心で信頼いただける作業に努めます。
Q:孤独死の現場で腐敗臭がひどい場合でも遺品整理作業は可能ですか?
A:どのような現場でも遺品整理は可能です。腐敗臭がひどい場合は、事前準備として作業開始前までに消臭や消毒の作業を行い、その後、遺品整理作業を行います。
※紹介した3社は対応可能
まとめ|相続放棄や相続税申告の期限までに業者に相談しよう
遺品整理を行うタイミングとしては、葬儀の直後や四十九日法要の前後、相続税の申告期限前などが一般的ですが、感情の変化が非常に激しいため無理はせずに気持ちを落ち着かせながら作業を進めましょう。
個人で作業をすることで費用は抑えられますが、時間と手間、さらにはストレスがかかってしまうため遺品整理の専門業者に依頼する事をおすすめします。
遺品整理はご遺族が前に進むための大切なステップです。自分たちに合ったタイミングや方法で取り組むことが大切です。
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